耳で視る
残業。
マスクをしながら必死に動いていると呼吸が荒くなり、体温が上昇するのがわかる。
身体を酷使したあとは、机に座りパソコンに向かう。
パソコンと天井の蛍光灯から角ばった光が眼球に差し込む。
ぐったり疲れて帰ってくると、くたびれた身体は浮遊感を伴い、脳と身体が乖離していく感覚に陥る。
視覚から得る情報は記号になり、耳から入ってくる音にはもわーんとしたフィルターがかかっている。
そんな状態だからか、この人の書く文章は耳で視ているような感覚にさせられる。
人間は身体を失いつつあるのかもしれない。
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